旅行観光イノベーション
15年にわたってリゾート人材派遣を行なってきた株式会社アプリは、観光地と密接に関わってきただけでなく、スタッフという存在である若者とも密な関係を築いてきた。この、地方とのつながり、若者の目線といった利点を生かして、地域活性、圧倒的な感動の提供を目的に設立された部署が、「J+(プラス)」。この部署が今力を入れているのが国内合宿事業だという。地域貢献と感動、そして合宿をどう結びつけるのか、メンバーにその抱負を聞いた。[インタビュアー:黒澤麻子]
AKIHITO YOSHIDA
吉田瑛仁
統括マネージャー
2015年入社
NARUMI YONEZU
米津成美
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2017年入社
MINA SUDO
須藤美菜
-
2017年入社
「仲間の結束を強めたい」「チーム意識を向上させたい」。現代の企業や組織は、チームビルディングや意識改革において様々な課題を抱えており、最近は課題解決のための取り組みが注目され、市場のニーズが高まっています。アプリはその一つの方法として「国内合宿事業」をスタートさせました。J+は、組織の様々な課題に対して、専用にカスタマイズされた「旅行」を用意することで、チームビルディングに新しい価値を提供致します。
心に深く残る体験は、地方にある。
国内合宿という形に着目した経緯とその効果について聞かせてください。
昨今人気になってきている企業の国内合宿ですが、その中には社員旅行の枠を出ないというか、上司の自己満足だけで終わってしまいそうな企画が多いように思います。アプリの売りは、地域の魅力を知り尽くしていることと、若者の感覚やニーズ、彼らからの情報を持っているということなんです。だから、アプリなら、個々の企業さんの求める合宿を、地域貢献と若者の目線という2つの視点でご提案さしあげることができると踏んだんです。
個々の企業さんのニーズはそれぞれ違いますね?
全く違いますね。しかし統一したテーマを置くとすれば、チームビルディングをお手伝いする、の一本です。もちろん、『チームビルディングを手伝ってください』とおっしゃるクライアントさんはいらっしゃいませんが、求めるものをお聞きしていくと、やはり目的は、チームビルディングです。いわゆるオフサイトミーティング、環境を変えることで社内の結束を固めるというのは他社と同じですが、うちの売りはあくまでも地方の魅力、地方から得られる感動なんです。その魅力や感動の大きさが、チームビルディングの結束の固さにつながると確信しています。会議室に缶詰になって受ける座学ではなく、ナチュラルカンファレンスと言いますか、普段とは全く違う環境に移動すること自体が気持ちの切り替えになります。
具体的にはどんな企画があるのでしょうか。
長野の佐久の学校を借り切って、地域の農協の方を呼んで上司も部下も同じ立場になってレクチャーを聞いてもらったり。
夜は長野の地ビールを楽しんでもらいます。徹底的に地のものの魅力を知ってもらえば、地ビールの味とともにこの合宿のことを思い出してもらえますし、地域にお金も落とせます。
北海道の夏、スキー場の稼動していないリフトを動かして社員さんに移動してもらうというプランもあります。Wi-Fi環境をこちらで用意して、大空の下で会議室を作るんです。これも非日常なアトラクションなので、心に刻まれますよ。
思いと思いをつなげるチャレンジが、J+から始まる。
面白い企画のアイデアは、どのように生まれるのですか?
そうですね、どんなアイデアも決して頭ごなしに潰したりしません。10人いたら9人までがナンダコリャと思う、でも残りの1人にすごく喜んでもらえる、そんな企画を出すように社員に言います。ベンチャー企業さんや大学からの契約が多いのですが、通常の旅行会社さんだと、社員旅行と同じように考えて、移動と宿泊だけを手配してくれるところが多いのだそうです。アプリの場合はもっと突っ込んで企画を立てます。そこを面白いと思っていただけて契約につながっているんだと思います。
社員旅行ではなくて、あくまでも意味のある合宿。そして、アプリらしくソリューションの出るものにしたいですね。
そして効果を上げるには、やはり感動体験が必須だと思うんです。
今後は、そんな感動が呼ぶ笑顔を企画にできないかなと考えています。たとえば、アプリには介護の事業部もあって、人材を派遣しているのですが、なかなか笑顔でい続けるのが難しい介護や看護にあたる方々に。また患者さんたちへ向けた企画をしたいなと。笑顔を鍛えるためのスマイルトレーニングやお笑い芸人さんを使ったもの、笑いが起きる体操を組み込んだような合宿ができたらいいなと思います。
一泊二日の合宿で終わらないで、これから介護のジャンルで働きたいと思っている方々にも響くといいよね。未来につながるというか、あとあとまで企業の財産になるような体験だよね、そこに単なる社員旅行との違いを出せたらいい。
明日答えは出なくても、1年後、5年後とかに合宿の効果が色々なところで出たら嬉しいです。
こういう風に先につながっていくのが、この事業を立ち上げた意味にもつながる。最終的には社会貢献になるような、ね。地域貢献を考えているうちに社会貢献、いいじゃない(笑)。
私は東京オリンピック、パラリンピックを見据えた企画ができないかと思っています。訪日者数が増えるのがわかっていても、どうケアしてあげるか、何に困っているのかはわかりにくいですよね。ダイバーシティというか、年齢や性別、障がいのあるなしなどに関係なく、たとえば車椅子体験とか全盲体験とかを入れた合宿を企画すれば、『知らないからできなかったこと』を減らしていけるんじゃないかと。
こんな新しいアイデアたちが、J+という部署を、果てはアプリという会社を変えていくような原動力になると思われますか?
思います。いや、いっそ旅行業に打って出るのが遅すぎたくらいですよ。この合宿事業は、人材を助け、送客も助ける、アプリの将来を支える大きな柱になっていくと思います。地域のウェルカムという思いと、顧客のワクワクしている思いをつなぐチャレンジの一つです。アプリの全部署しっかりつながっているからできるチャレンジですね。
このつながっている感は、入社してすごく驚きました。
今後は、『合宿』という言葉が持つ押し付け感とかやらされ感、洗脳されているような感覚を取り払うために、新しい言葉で表現できないかなと考えています。たとえば『ブレイクスルー』。ブレイクスルー合宿事業部というネーミングで、共感覚というか、みんなで作り出す合宿のよさ、五感で感じてもらう感動みたいなものを提供していけたらいいと思っています。
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